企業の森づくりの進め方

企業は森林の多面的機能の受益者

企業がCSR活動として森づくり活動を実施する意義は、第一には、森林の多面的機能の受益者としての位置付けが近年高まっているという観点から捉えることができるといえます。近年、国民は森林に期待する機能は、前述したように、「地球環境保全機能(地球温暖化防止)」、「土砂災害防止・土壌保全機能」、「水源涵養機能」といった環境的要素が上位を占める状況となっています(図1)。その中、我が国における部門別二酸化炭素排出量は、民生部門(家庭)よりも産業部門等の事業者に関連する部門が占める割合が大きくなっています(図2)。また、水使用実績(取水量ベース)も生活用水が占める割合は19%(平成16年度)に止まり、農業用水と工業用水の産業的利用が占める割合が大きくなっています。

持続可能な企業活動の展開に向けて高まる森づくりの意義

このように、「地球環境保全機能(地球温暖化防止)」や「水源涵養機能」の受益者は、事業者等が占める割合が大きいという実態にあり、地球温暖化防止は避けて通ることはできないとともに、工場等での安定的な水資源の確保は不可避であることから、持続可能な企業活動の展開に向けて、「企業の森づくり」を行う意義が高まっているといえます。
特に、受益者が事業者等と関係の乏しい森林所有者や利用者と明確な「保健・レクリエーション機能」、「文化・教育機能」、「物質生産機能」に対する国民の期待は下位にあることも、企業等への期待が高まる背景でもあるといえます。

機能 期待 受益者
地球環境保全機能 54.2% 事業者・国民全般
土砂災害防止・土壌保全機能 48.5% 地域住民、流域住民、地域・流域の事業者
水源涵養機能 43.8% 地域・流域の事業者、地域住民、流域住民
快適環境形成機能 38.8% 地域住民・地域の事業者
保健・レクリエーション機能 31.8% 利用者
生物多様性保全機能 22.1% 国民全般・漁業関係者・(事業者)
文化・教育機能 18.0% 地域住民・利用者・(国民全般)
物質生産機能(うち木材) 14.6% 森林所有者
(うちきのこ等林産物) 10.6% 森林所有者・地域住民
日本の部門別二酸化炭素排出量の割合

日本の部門別二酸化炭素排出量の割合