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企業の森づくり

事業事例

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水資源を育み、サステナブル活動の自分ごと化や企業価値の向上に活用

事業(活動)の内容・仕組み

平成26年より、味の素AGFでは各生産会社の水源付近にある森の一部を「ブレンディ®の森」と名付け、水資源を育む取り組みをスタートさせた。その活動の目的には以下の3つがある。

  1. 社員が活動を体感することで、ASV (Ajinomoto Group Creating Shared Valueの略)意識の醸成をはかる
  2. 社外への広報活動・取引先との連携を強化することで、企業価値を向上させる
  3. 森づくり活動を活用して、地域ファンの拡大や、行政等との連携を強化する

昨年までに延べ3500人以上の社員等が参加して活動を盛り上げてきた。AGFグループでは継続的に森を整備し、水資源の保全を続けるとともに、社員の活動経験や地域のお客様にご紹介する機会を増やし、水を育む森づくりの意義を啓発する「サステナブル教育の森」として活用したいと考えている。

活動の様子

事業(活動)を始めた背景・理由・経緯

味の素AGFでは、「ココロとカラダの健康」、「人と人とのつながり」、「地球環境との共生」をはじめとするサステナブルな社会の実現のために、あらゆるパートナー共に3R(Relax、Reset、Refresh)の提供を通じて事業活動を拡大することで、社会価値と経済価値の共創を目指している。

「ブレンディ®」をはじめとする嗜好飲料を製造販売する当社(AGFグループ)にとって“水”は商品づくりだけでなく、お客様が当社グループの商品をお飲みいただく際にも欠かせない大切な資源。森を整備することによって、豊かな自然や清らかな水を育む大切さを体験し、次世代へと継承していく――それが「ブレンディ®の森」の森づくり活動となる。

「ブレンディ®の森」で涵養(かんよう)している水の量は、「ブレンディ®」スティック カフェオレを飲むのに必要な水100%以上に相当する。

事業(活動)の成果・効果

令和4年度は、コロナ禍で中断していた県外メンバーも含む全国のAGFグループ社員参加による保全活動を再開した。「ブレンディ®の森」鈴鹿の森(亀山市)で計4回、「ブレンディ®の森」群馬の森(前橋市)で計4回、合計8回、延べ267名が保全活動を参加し、例年行っている間伐を中心に、下草刈り、枝打ち、林道整備、沢の清掃等を行った。

前年度から森林の重要な機能の一つであるCO₂吸収量算出、見える化の取組を始め、4月に林野庁のホームページにグリーンパートナー2022として企業名が公開された。その取組の一環として、吸収量算出に関わる林分調査を4年度の活動の中で体験することができた。社員参加で、10m四方の枠の設定、計測器による樹高測定、輪尺による木の胸高直径測定等を行い、森林がCO₂を吸収する貴重な資源であることの認識や算出に必要なデータの理解、測量の難しさ、大変さを社員が実感する貴重な機会となった。

また、鈴鹿の森においては、社員参加の活動以外に、地元で専門的に森林施業を行っている地域林業従事団体(NPO法人森林の風)と森林保全委託契約を締結し、年間計画のもと、植栽用の苗木の調達及び植栽業務、下刈り、獣害防護柵設置、除伐、間伐、清掃、定期巡回、安全管理対策、防火対策等必要とされる森林保全活動を実施していただいている。樹種毎の境界確定、林分調査地の特定、測量等も行っていただき、年間を通じて、健全な森林の育成環境の維持及びCO₂吸収量見える化、啓発に資する活動を行う事ができた。

平成3年度から実施している地元の「鈴鹿川等源流森づくり協議会」の主催する「3つの森の楽しみ方イベント」企画において、「ブレンディ®の森」を活用してもらい、いままでに「木工工作(ハシゴ作り)」、「ツリークライミング」、「森を歩く」の3つの体験に計17家族50人の方に参加していただいた。

森を歩くイベントでは、以下3つを体験していただいた。

  1. 「ブレンディ®の森」の紹介
  2. 活動の内容を紹介
  3. 森の整備の重要性等について、実際に森林内を散策しながら紹介

途中の尾根上でツリークライミングとチェンソーによる間伐見学もしていただき、参加者から感激の声を頂けた。

今後展開方向

内閣官房水循環政策本部事務局からの依頼により、主催する「企業連携水循環ウェビナー」において、水源涵養の企業の取組の好事例として、当社の取組を紹介させていただいた。今後も、継続的に森を保全しながら、当社の得意先や地域の方を森活動にお呼びする機会を設け、森林保全の意義の理解や関心を高める活動を行っていくと同時に、水循環機能のみならず、CO₂吸収を始めとする森林の持つ多面的機能に焦点をあてた取組、啓発を積極的に行っていき、当社の企業価値向上、当社のファン拡大につなげたいと考えている。