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企業の森づくり

事業事例

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地域の電子部品メーカーが出資・設立し、「農工一体」を地域で実践

令和3年度林野庁委託事業「国民参加の森林づくり総合推進事業報告書」より

事業(活動)の内容・仕組み

やまとわの木工事業

事業(活動)をはじめた背景・理由・経緯

KOA の「農工一体」実践を独立会社として事業を開始。事業内容、文化の違いや事業として推進するため別会社にした。

事業(活動)をスタートするまでの経過

もともと KOA 森林塾など「農工一体」の実践を CSR として実践しており、より積極的に推進するために始めたが、KOA 社内では大きな反発はなかった。最初は出資をして、その後は自分たちでがんばってもらうという方針。KOA は6~7割が地元の社員で、養蚕業や農業に携わるバックグラウンドを持つ社員も多く、CSR や ESG など昔からそういうことを行なっていた背景がある。

事業(活動)の成果・効果

まだ設立からあまり経ってないので今までは許容範囲であったが、そろそろ利益を創出するタイミングと考えている。株式会社なので株主への説明責任もある。親会社である KOA には 2,000 人以上の社員がいるので、やまとわでつくった農作物や家具を売っており、やまとわの理念を社員にも理解してもらって買ってもらう。それは地産地消のもっと狭い消費の循環の実践であると考えている。
KOA はセンサーの部品をつくっており、農業用センサーなどに使えることもあって、やまとわと共同で開発している。ただし、業界自体違う関係性なので深い交流はまだ行われていないが、KOAの本体がある近くに農場を持っており、そこが実践の場となっている。半径 10 キロ圏内には森林がある伊那谷。精密機械関係の産業界の社員と一次産業のやまとわがより積極的に交流する機会も設けていきたい。地域の潜在的な資源をどう生かし、継続できるしくみ、暮らし続けるしくみを考えていく。

今後の展開方向

事業で伐採した木材を様々な形で加工販売し、その売り上げを伸ばしていくことは非常に重要。また、ここでの知見や価値観を伊那で研修メニューとして都市の企業にも提供することで、企業の履歴を森に循環する寄付活動なども考えている。また INA VALLEY FOREST COLLEGE では「森に関わる 100 の仕事を作る」をテーマに、森林業界に止まらず、他業種の方々と連携していく中で共創していくことが、これからの新しい森づくりだと考えている。講師陣には、森のプロフェッショナルはもちろん、デザイナーや建築士、教育、アウトドア、といった様々な業界の方々を迎え、森の価値について考えているが、さらに共感者を増やして森林業の再生に貢献していきたい。
木材ビジネス展開として、農業用のビニールハウス内のウッドボイラーを今試している。現時点では導入コストがかかりすぎるので、できるだけ安価なものを提供できるように改善改良をしていきたい。薪ストーブの会社があるので、普及型のウッドボイラーを作れないか試している。工場で使う、事務所で使う、木材乾燥用で使う。200 万円くらいで導入できるやり方がないかを検討している。

事業の課題

やまとわ社員の平均年齢は 35 歳で、半数は県外からの移住者。価値観を大切にし、社員の価値観を実現していくことを重視している。
社会資本をいかにビジネス化するかは非常に大きな課題であり、それがやまとわのパーパスだと考えている。