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森づくりコーディネーター

Interview:森づくりコーディネーター✕企業

interview 04 地域コーディネーター

企業と地域が価値観を共有できれば、どんどん広がって好循環が生まれる。

一般社団法人栗東市観光協会事務局 
山口 翔太郎 さん

「やまの健康」モデル地域としての仕事と、企業の森づくりを初めて一本化。

この仕事に携わる以前は何をされていましたか。

山口:大学進学を機に大阪に出て、ホテルに10年勤めた後、東近江市の臨時職員やNPO法人「遊林会」という所の職員でした。その後、せっかく色々なことをやるのであれば地元でやったほうが面白い、地元ならこうできるというイメージができたので、帰ってきました。そのタイミングで観光協会が事務職員を募集していたので、お世話なったという流れです。

企業との仲立ちをはじめたきっかけ、経緯を教えてください。

山口:やまの健康推進モデル地域の一つ、栗東市の地域側の窓口として仕事をしている中で、企業の森づくりとの融合が進んで行きました。それらを具体的に一本化する話を西村さんからいただいて、「やります!」と即答したのが、企業との仲立ちをはじめたきっかけです。

コーディネートとは実際にどういうことをするのでしょうか。

山口:例えば三機工業さんの場合には、パートナー協定を進めるにあたり、生産森林組合が企業とのやり取りに専従の事務職員がいないため、企業側の問いかけに機敏にレスポンスできなかったり、各種調整に時間を要することなどが考えられたので、その部分を栗東市観光協会事務局として担うことになりました。また、協定を結んだ後の実働は西村さんから引き継ぎ、企業と森の所有者と施業者の間の様々な調整を行いながら、森づくり活動の円滑な進行をサポートしています。

企業が何を必要としているか、手探りでメニューを次々提示。

企業へのPR、働きかけはどのように行っていますか?

山口:相手の企業が何を必要としているか、関心があるのか、まず知らないと伝えられない部分があるので、PRはなかなか難しいです。対面だと探り探りしゃべりながら、「こんなのもありますよ」と、手を変え品を替えて提示し、相手に刺さったところを深掘りしていく感じで伝えられます。IT技術が進んだ中では、手当たり次第やっている感じはあります。

地域を視察された三機工業の方々に「魅力を感じていただけた」という実感が。

企業さんとの具体的な協定事例〜三機工業について担当してみてどうでしたか?

山口さんにご案内いただいた栗東市内の作業道。

山口:まず、ありがたいです。観光協会は潤沢な資金を持っている団体ではないので、観光だけで回っていない部分があります。だから、この先10年間サポートいただけるのは心強いですね。また、今回良かったなと思うのは、三機工業の方々に地域を視察して良さを感じていただけた実感があることです。
ここからどう形を残していけるか、仕組みとして何が構築できるか、全国のマウンテンバイクのトレイルコース、ガイドコースなどを参考にしながら、何か人が山や森に入る仕掛けができないかなと色々知恵を絞っています。

地域課題の解決には外部の力が必要。関係人口を増やしたい。

今後について考えていること、計画などはありますか?

山口:企業のみなさんに要望を言ってもらえたら、それを形にするコーディネートはできると自負しています。それが回って地域のため、社会のためになっていくように、企業のみなさんは考えてくれていると思うので、来てくださる方と受け入れる側が価値観を共有できると、それがどんどん広がって、好循環を生むようになると思います。琵琶湖のため、次世代の子ども達のためになればと思っています。

一昔前は、木を切って使って、また生えてきて使って。それを炭にして売って、それで食べて、お米もできてという風に、地域でサイクルをちゃんと回せていたはずなんです1年間の仕事を、たとえば農業だったら農業だけじゃなくて、家畜を飼いながら、林業をしながら、マルチなタスクをこなして、地域経済を回していた。今その循環が断ち切れて、さまざまな歪みが地域課題として散見されています。全部元に戻すわけではないけれども、ある程度重なる部分をしっかりフォローしてあげて、道筋立ってできるようになればいいなと思っています。そこに外部の人が入ってくれて一緒にやるというのが、観光の力だったり、関係人口、交流人口ということだと思います。

一般社団法人 栗東市観光協会ホームページ

interview04
コーディネーター

企業も地域も、関わる人達が幸せを感じられる、持続可能な森づくりを。

滋賀県 琵琶湖環境部 森林政策課 やまの健康推進係
平野 里子 さん(左) 西村 辰也 さん(右) 
森林所有者
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