事業事例
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三菱地所ホームの青空オフィス YAMANASHI BASE
事業(活動)の内容・仕組み
三菱地所ホームでは、木造住宅に欠かせない森林資源を未来へつなぐため、社員が森づくりに参加する「青空オフィス YAMANASHI BASE」を展開している。山梨県北杜市・茅ヶ岳の麓に広がる約2haの山林で、春・秋の植林や夏の下刈りを行い、持続可能な森林の育成とCO₂吸収量の向上をめざしている。
この活動はボランティアではなく、事業と密接な “研修の場”である。現場での気づきをサステナブルな家づくりへ結び付けることを目的としている。専門家による講義、整備作業、製材所見学を組み合わせたプログラムにより、国産材活用や資源循環の理解を深めている。
さらに、社員が植えたカラマツの苗木は長い年月を経て木材となり、将来当社の家づくりの材料として還ってくる──その循環を体験により実感できる点も本活動の特徴である。
事業(活動)を始めた背景・理由・経緯
当社は長年、木造住宅を中心に事業を展開してきたことから、木材の供給源である国内森林の循環を支える取り組みを継続してきた。
2011年には山梨県と住宅建材としての県産材の利用を促進する協定を結び、その他の地域とも国産材の安定利用に向けた枠組みを整備してきた。その結果、新築注文住宅の構造材における国産材率82%を達成している。こうした地域協働の積み重ねを経て、2023年に北杜市らと「森林整備協定」を締結し、社員が実際に森づくりに参加する「青空オフィス YAMANASHI BASE」がスタートした。
建築資材の源流を自ら体験し、事業と森林の未来を結びつけて考えるための研修として取り組んでいる。

事業(活動)の成果・効果
本活動の最大の成果は、森づくりを軸に事業に直結する森林サイクルの理解促進と、その循環への貢献を具体化できている点である。
現地で得た学びが木の価値や資源循環の必然性の理解につながり、設計・調達・施工など日々の業務判断に波及している。さらに、製材所見学を組み合わせて川上—川中—川下を一体で捉えることで、サプライチェーンへ理解が深まり、提案や工程の改善につながっている。また、地域林業者との協働を通じて、国産材の活用拡大や森林管理の担い手支援にも貢献している。
これらが相まって、企業の森づくりとしての社会的意義(森林の保全・再生への関与)と、事業価値の向上(サプライチェーン理解の深化、国産材活用の前進)を同時に実現するCSVの取り組みへと定着し、社員の意識変容、社内の共有知の拡大、地域との協働強化といった多面的な効果が表れている。

今後の展開方向
体験機会を可能な限り全社員へ広げ、共通の想いと方向性を持って木材を活用する企業としての責任を果たせる体制を整えていく。
現地での学びを設計・調達・施工などの実務プロセスに反映し、国産材の継続的な活用と資源循環の実装をより確かなものにしていく。また、住宅オーナー(顧客)が森に触れる機会を設け、当社の住まいづくりへの想いとともに、木造住宅を選ぶことが環境貢献につながる価値を実感していただける取り組みとして展開する。
「YAMANASHI BASE」を「森から住まいまで」の循環を体験できる場とし、社員・顧客・地域が共に関わる活動へ発展させていくことを目指す。

