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企業の森づくり

事業事例

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森林づくりを通じた「自然との共生」の取組み

JR西日本グループは社会インフラを担う企業グループとして、地球環境の保護を通じ、「安全、安心で人と地球にやさしい交通」、「持続可能な社会」の実現に貢献していくにあたり、「地球温暖化防止・気候変動対策」、「循環型社会構築への貢献」、「自然との共生」の3つを柱とした「JR西日本グループ環境基本方針」を定め、グループ一体での組みを進めている。

旧三江線森林再生実証実験

事業(活動)の内容・仕組み

2024(令和6)年秋に鳥取大学、広島大学との共同で旧三江線の落石などから線路を守る防備林を対象に、1,旧線路敷を活用した木材搬出技術の実証・評価、2,旧線路敷周辺の森林資源活用可能性評価、3,野生動物対策を考慮した再造林計画の検討の3つの課題を検証するため、実証実験を行った。伐採・再造林などの森林施業は邑智郡森林組合に委託している。

事業(活動)を始めた背景・理由・経緯

鉄道と森林のつながりは古く1893(明治26)年に日本鉄道(のちの東北本線)水沢~青森間に吹雪防止林として整備されて以来、森林は防雪林、防備林として鉄道の安全安定輸送を支えてきた。

旧三江線は島根県江津市と広島県三次市を結ぶ108.1㎞の路線で、落石などから線路を守る防備林として、約150haの鉄道林が整備されていた。旧三江線は自動車の普及や沿線人口の減少により2018(平成30)年にバス交通に再構築し、線路を守り続けてきた鉄道林もその役割を終えることとなった。

しかし森林は木材生産や水源涵養など様々な多面的な機能を有しており、役割を終えた鉄道林の再生に向けて島根県美郷町、広島大学、鳥取大学など、地域者の協力を得ながら検討を始め、列車が走らなくなった線路を林道として活用する目的で森林再生実証実験を始めた。

事業(活動)の成果・効果

2024(令和6)年秋に実施した実証実験の結果、①旧線路敷は路盤強度や線形などの林道規定の基準を満たし、林業用重機の走行にも支障がなく一種の林道として十分機能する機能する。②鉄道沿線には未利用の森林資源が多く存在しており旧線路敷を活用すればさらに森林活用が広がる可能性がある。③野生動物の侵入を減少させるために設置した緩衝帯の効果については、引き続きセンサーカメラ、赤外線ドローンによる観測を継続する。といった結論を得た。

現地では2025(令和7)年2月にスギ苗の再造林を行い、次の世代の新たな森林づくりに取り組んでいる。また2026(令和8)年4月からは沿線の民有林にも対象を広げ、旧線路敷を活用した森林再生の取組みを進めていく。

次世代の森づくり、和歌山県での戻り苗プロジェクト

事業(活動)の内容・仕組み

JR西日本では株式会社ソマノベースと連携して、白浜駅、紀伊勝浦駅など紀勢本線の特急「くろしお」が停車する有人駅全6駅に、森を生み出す苗木を育てる「戻り苗」ポットを設置している。駅の社員が毎日水やりなどを行いながら、駅を行きかう人々に森林への想いを感じてもらえる取組みを進めている。

事業(活動)を始めた背景・理由・経緯

黒潮洗う太平洋を望む紀勢本線は和歌山県の通勤・通学など日常の足として、熊野古道、紀伊勝浦、白浜など古い歴史と豊かな自然に彩られた観光地への足として、利用されている。

2011(平成23)年に豪雨による大規模な土砂災害が発生した紀伊半島で、その体験から「林業を通じて災害リスクの低い山を増やす」というコンセプトで事業を立ち上げたソマノベースとともに、「より多くの人に森づくりに関わってもらい、森林への関係人口を増やしていきたい」そんな思いを受けて、2026(令和8)年3月末まで本プロジェクトに取組んでいる。

今後の展開方向

JR西日本グループでは自然との共生、森林づくりの取組みの他、省エネルギー新型車両の導入、列車運転用電力への再生可能エネルギー由来電力の導入、次世代バイオディーゼル燃料の導入など「JR西日本グループゼロカーボン2050」の実現に向けた取り組みを進めている。
これからも社会インフラを担う企業グループとして、森林づくりの活動を通じた自然との共生、地球環境保護に取組んでいく。