森づくり活動チェック!環境貢献度etc

『信州の森林づくりにご参加ください
~ 森林の里親促進事業のご案内~』

三石 和久(長野県林務部 林業振興課経営普及係 林業専門技術員)


三石 和久さん


森林の里親促進事業の背景

森林・林業業界には、間伐を早くしなければならないとか、林業従事者の高齢化といった、おきまりのキーワードがありますが、長野県でもこれが深刻な問題になっています。

平成18年7月に諏訪地域を中心に起きた豪雨では、使者が9名、全壊が16戸、半壊が16戸という被害がありました。最大日雨量が371mm、時間では40mmという豪雨でした。30mmくらいからバケツをひっくり返したような状態なのだそうですから、12時間そんな雨が降り続いたということです。その災害の後、長野県の治山の関係で調査をした結果、間伐遅れの森林と間伐された森林では根の状態が全く違うことが分かりました。間伐遅れの森林では根の太さが小指くらい、間伐が行われている森林では親指くらいになっていたのです。その差が、土砂として流れ出してしまった森林と、流し出さなかった森林との差となっていました。それくらい森林整備は大きな役割を担っていますし、すぐに健全な山ができるというものでもない、ということです。

こういった問題は、地域だけはなかなか対処できず、やはり多様な人に携わってもらわなければならない状態にあります。そんななかで、企業の皆さまにもぜひご協力していただきたい、ということで、「森林の里親促進事業」が誕生しました。


諏訪地域の豪雨災害


森林の里親促進事業とは

「森林の里親促進事業」の目的は、森林整備を進めるということと、企業の社員や家族の皆さま、企業のお客さま等と、地域住民の皆さまが交流による山村活性化の2つの大きな柱があります。

この事業では、企業から支援金を公布していただき、県の造林補助金(7割)と支援金を併せて森林整備に活用しています。森林整備をする森林は、国有林、県有林を除いた民有林全般を対象としていますが、その多くは市長村有林や、集落で協同で持っているような森林となっています。

この事業の特徴には、①安心・安全なシステム、②ご要望をかなえます、③活動もスムーズ、ということが上げられます。①は、長野県が責任を持って仲介するので騙されることはありません、ということです。②は、本県では決まった活動を提案しているわけではなく、企業はどんなことをやりたいか、地域はどんなことを要望しているか、ということを聞いて、それを合わせるというオーダーメイド的なまとめ方をしていますので、要望に添った取り組みができるかと思います。③は、契約して地域と企業が一緒に活動をはじめたああとも、技術的な支援や安全確保という面で長野県がしっかり支援をしていくということです。さらには、フランクな関係にしたいということで、分収林や地上権といった権利関係は一切設定しておりません。

本事業での企業のメリットとしては、社会貢献フィールドとして活用できる、企業のイメージアップにつながる、社員や家族の福利厚生の場として活用できる、CO2吸収や水源の森といった企業の思いに見合った森林づくりができる、非常に見やすいところにアプトサインを設置できる、といったことがあると考えています。また、この支援金は損金に算入されることと、整備内容や活動内容がCSRのレポート等に反映することができるというのも、企業としてのメリットとして考えられます。

平成15年にスタートした本字行では、現在26の契約が成立しており、合計で約6000万円の支援金をいただき、400haの森林の整備が行われています。


契約会社社員のボランタリーな活動事例

本事業では、支援金は地元の人たちによる森林整備に当てられていますが、企業の皆さまのボランタリーな活動として森林整備を行うという事例もあります。それを社員や新規内定者の環境教育活動の場として活用されているところもあります。また地域との交流ということで、春は山菜、秋はきのこ狩り、また郷土料理や野菜収穫を楽しむといったことも行われています。

具体的な事例をいくつかご紹介します。

最初に里山事業を始めていただいたダイドードリンコ(朝日村)は、安全研修を受けた社員によって森林整備隊を結成して、月に1回、10人弱くらいの隊を結成して森林整備を行っています。

ジャパンエナジー(原村)は、社員と家族の皆さんに1泊2日で村に来ていただいて、1日は森林体験、次の日は村のことを知っていただくための活動の取り組みを行っています。また、夏のマジボラと言って、下刈りをみっちりと行うという活動を行っています。さらに地域貢献の事例として、日本リーグ・Wリーグのサンフラワーズの選手が、地元の中学生にバスケットボールの指導をしていただいています。

デサント(野沢温泉村)は、抽選で選ばれたお客さん50名に村にきていただき、森林整備体験「大人の林間学校」を開校しています。そのなかで、地域の人たちが講師になって作業を教えたり、地域の女性に地元食材の食事を提供していただいたりといった取り組みをしています。

ダイワ精工は、入社内定者をすぐに環境研修と言うことで山の中に連れてきていただいて、そこで研修をさせていただいています。学生さんの間では大変好評のようです。

また、間伐材利用事例として、紙に利用していただいたり、ノベルティグッズとしてお箸をつくったりといったことを行っていただいています。


間伐材利用事例


長野県は森林セラピーも充実

「森林の里親促進事業」は、県が責任を持ってコーディネートし、多種多様な活動をオーダーメイドでつくりあげることができます。活動開始後も万全にフォローアップいたしますので、ぜひご参加をお願いします。

実は長野県では、森をつかっての健康管理である「森林セラピー」が大変盛んです。平成20年には8カ所が森林セラピー基地・ロードに認定されており、これは全国でナンバーワンです。「森林セラピー」は、ただ森林が整備されているということだけではなく、案内人や宿といったソフトの面も充実させておりますので、これも併せて是非よろしくお願いします。

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