『企業の森づくりの現状 及び 森づくりコミッション紹介』
飛山 龍一(林野庁 森林整備部研究・保全課 森林保全推進室長)
広がっている企業の森づくり
近年、企業の社会的責任、CSR活動ということで、非常に多くの企業の方々に森づくりに参加していただいています。
平成16年と18年に各県を通じまして調査をした結果では、平成16年で493カ所(国有林399、民有林94)、国有林も開かれた国有林ということでフィールドを提供していたのですが、民有林も最近は活動が活発になっておりまして、平成18年には687カ所(国有林443、民有林244)と、非常に多くの箇所で取り組みをしていただいています。また、面積で言いますと、平成16年が3,100haこれに対して平成18年は4,500haと、非常に広い面積で森づくりに取り組んでいただいています。
企業の森づくりの意義には、企業のイメージアップ、地域社会との交流・地域貢献、社員への環境教育・福祉厚生、地球温暖化の防止・生物多様性の保全と多様であり、様々な目的を持って森づくりに取り組んでいただいています。
一方、森林ボランティア団体、森づくりに積極的に関わっているボランティア数は、平成9年に277団体だったのが、平成18年には1,863団体と、非常に多くの市民の方が森づくりに取り組んでいただいています。非常に有難いことです。こういった中で、ボランティア、企業、行政、そういった方々とのつながりとも、非常に大切になってきています。
森づくりコミッションの役割
企業がCSRで森づくりをしようとしたときに、「まずはどこに相談すれば良いのか分からない」という話をよく伺っていました。また、ボランティア団体にしても、やはり自前で活動をしているところが多く、「資金援助をしてほしい」「クワやカマを貸してもらえれば山づくりができるのに」といった相談もございます。そんな様々な相談の窓口が各地域にあると便利だろうということで、「森づくりコミッション」の設立について、行政も積極的に後押しをしているところです。本日設置しているブースもその一環ですが、これから後、県の方からの紹介もあると思いますので、またその辺も参考にしていただければと思います。
具体的な「森づくりコミッション」の役割として、まずは森づくりを行いたい企業やNPOなどの問い合わせ対応、実際にどういったところで森づくりをすればいいのかというフィールドの紹介、イベント情報といったものの相談窓口と考えています。企業や所有者、森林組合、NPO等との連絡調整、特に森林組合等との連携に「森づくりコミッション」を活用していただければ、非常にスムーズに行くのではないかと思います。また、実際に活動を行う際に必要な苗木や作業道具の貸し出し等も「森づくりコミッション」が担う役割と考えています。さらには、森づくりのための企画といったところも担っていただこうと思っています。
「森づくりコミッション」は、逐次全国にできつつありますので、お近くの行政にも問い合わせていただければと思っています。
美しい森林づくり推進国民運動
昨年、民間団体が中心になって「美しい森林づくり全国推進会議」が設立されました。森づくりを単に行政や森林・林業関係だけでなく、もっと幅広い団体で連携しながらやっていこうということでつくられたものです。経済団体や医療団体、プロスポーツ団体、教育団体、環境団体、漁協等、様々な団体が加入しており、こういったなかで情報交換や連携をとって「美しい森林づくり推進国民運動」を推進していこうということで、林野庁も深く関わらせていただいております。
「美しい森林づくり推進国民運動」の主要な目的は、京都議定書の森林吸収源達成目標のために、6年間で330万haの間伐を行っていこうというものです。日本の森林は、今でこそこれだけの山になっておりますが、戦後の復興期は日本の国土はハゲ山が一面に続いていました。先人が一生懸命苦労して植えてきてくれた山ですので、キチンと整備をして次の世代に引き継いでいきたいということを考えているところです。今後ともよろしくお願いいたします。


