『企業と市民の協働の仕方』
平田 通文 (ザ・パック㈱ 秘書室長)
平田 通文さん
ザ・パック(株)について
当社は年間807億円の売上高のあるパッケージ製造会社で、手提げ袋や紙箱、プラスチックバック、段ボールを一括して製造しています。
これらのパッケージは、必ず捨てられてしまいます。ですから当社では文化的事業として、人類の知恵である世界中のパッケージを集める包装資料館を、東京と大阪につくっております。この包装資料館の、『「美」しいものを「知」っていただいて、「驚」いて、新「鮮」な気持ちで「楽」しんでもらって「夢」を持って何かを「創」りましょう』という7つのコンセプトは、植林にも通じるものだと思います。
フォレスト環境基金とザ・パックフォレストの仕組み
当社では、サトウキビの農業残渣を原料としたバガスペーパー、CO2の吸収率が高いと言われているケナフを原料としたペーパー、水質浄化作用がある葦を原料とした葦ペーパーといた非木材紙を使った製品を展開しています。愛・地球泊では、全ての公式パッケージにこれらの製品を提供させていただいています。
当社では、これらの非木材紙等の環境素材製品の売り上げの0.5%を環境保全活動基金として日本環境財団に提供していましたが、この基金をさらに有効に活用するために、独自の森林保全及び植林活動を主とした「ザ・パックフォレスト」を2000年に設立しました。1号地(2001年)は岩手県沢内村、2号地(2002)は奈良県吉野、3号地(2003)は沖縄県恩納村、4号地(2004年)は広島県竹原市と、活動地は多岐にわたっています。
全ての植林地は個人所有のフィールドです。またすべての森づくりを、地元の森林組合やNPOと協働で行っており、企業、行政、市民、山主がキチンとマッチングして、初めてスタートするという形をとっています。そうしないと、森づくりを安定的に継続できないと考えています。
基金の流れとしては、まずは環境素材製品お客さまに購入していただくという形で参加していただき、その売り上げの0.5%を「フォレスト環境基金」としています。基金は年間で約600万円〜700万円が集まっており、2006年12月までで累計約6,800万円の基金額に達しています。その基金の運営は「地球と未来の環境基金」というNPOに委託をしており、我々の希望を聞いていただいた上で、各地の森林組合や行政と打ち合わせをしてベストな形で立ち上げてもらっています。そしてそこに、私たちの社員やお客さんが参加するという形になっています。
当社では、森づくり活動に社長以下、全ての役員が参加します。トップが出ないと、社員は参加しにくいし、軽視もされてしまいかねません。サラリーマンの世界は恐ろしくて、トップが参加して「よかったぞ、お前もやれよ」って言えば、社員は争って参加します(笑)。
ザ・パックフォレスト2号地
植林風景
(株)デオデオとの協働での森づくり
パッケージ会社としてはいろんな企業の方と取引をしており、何かのおりに「広島県は山火事での焼失面積が一番多い」と聞いておりました。また、当時の当社会長が広島県出身でしたので、広島で活動を行いたいと考えていたところ、(株)デオデオという地元の家電販売会社の社長さんが「うちもそういうことをしたい」ということでしたので、広島県の方を紹介していただいて2005年に協働で活動を開始したのが、広島県竹原市の4号植林地です。協働体になったので、なにか証をしておこうということで、芸南森林組合や山主さんとともに調印式を行ったことは、当時話題になりました。
(株)デオデオが展開しているDEODEOという店に貼る植林ボランティア参加募集のポスターは、当社のデザイン部が制作しまして、これも非常に話題を呼びました。今現在も、一般ボランティアの目にとまるように継続してつくっております。
一般の参加者もドンドン増えています。竹原市のある高校では、授業の一環としてボランティア活動が認められているということで、毎年約200名が参加してくれています。
企業は本業と関連したテーマにおいて活動
私個人として最初に環境問題を意識したのは、20数年前の新聞です。インド洋のクジラが突然死をする原因は、海洋投棄されるプラスチックパックを餌と一緒に飲み込んでいるからだ、ということを報じたものでした。これは私たちの本業にとっても大問題だと考えことが、現在の活動にもつながっています。
企業はなにごとも、本業と関連したテーマにおいて活動します。行政や各自治体の皆さんには、そのあたりの理解をしておいていただきたいと思います。そんななかで私たちが何を出来るかということを、皆さんの知恵をお借りしながらさらに活動を進めていきたいと考えております。


