『企業の森づくりの現状 及び 森づくりコミッション紹介』
林 視(林野庁 森林整備部研究・保全課 緑化推進担当補佐)
広がっている企業の森づくり
企業の森づくりは、CSR活動への関心の高まり、温暖化をはじめとする地球規模での環境問題への関心の高まりといったものを背景に、広がっています。その実態を把握するのは難しいのですが、国有林で活動されているものと、各都道府県に聞き取りをして把握している民有林で活動されているものを併せると、平成16年度末には493カ所、3,100haだったのが平成18年度末で687カ所、4,500haとなっています。
森づくりへの参加の仕方
企業の皆さまの森づくりへの関わりには、様々なものがあります。
独自に森林を所有している、あるいは購入して森づくりを行っている事例では、NPOと協働して森林整備を行ったり、自社有林を開放して森林のセミナーを開催しているような例があります。
森林を持っていない企業が、森林の所有者、あるいは都道府県や市町村の森林を、協定等を結んで一定の期間で森づくりを行うという形が、最も多い事例です。この場合は単に森づくりだけではなく、地域の方々との交流を図る、地域の方々と森林づくりの方向性の協議を行う等、地域の方々と一緒になって活動をしているという例もあります。
また、緑の募金等に寄付をしたり財団や基金を設立することで、森林整備を行ったりボランティア団体の活動を支援する企業もあります。
中小の企業でも、小さな森林で活動をしている企業もありますし、数社が一緒になって活動をしている事例、ボランティア団体と連携してその団体に社員が参加する事例もあります。
企業の特色に応じて様々な参加の仕方がありますので、本日のブースなどで、自社に会う方法を相談されてくれれば良いかなと思います。
企業の森づくりの意義
企業が森づくりを行う意義には、企業のイメージアップ、地域との交流による地域への貢献、社員や家族との交流や福利厚生のための森づくり、森林がCO2を吸収することによる温暖化防止、といったものがあります。
単に森を整備するだけではなく、企業の皆さまのアイデアで、いろんなテーマの森づくりが考えられると思います。
企業の森づくりを応援する「森づくりコミッション」
林野庁では、「森づくりコミッション」の活動を支援する事業を進めています。
特に企業の皆さまは、森との縁があまりありませんので、「どこで森づくりを行えばいいのか」「どういった人に相談すればいいのか」「必要な手続きはあるのか」等、クリアしなければならないことが様々にあると思います。「森づくりコミッション」は、いろいろな地域でこういった企業やNPOの相談窓口となって、フィールドとなる森林の紹介や森林所有者との契約の手伝い、道具や苗木の調達の手配等を行うものです。
現在では多くの都道府県が企業の森づくりを促進する事業を行っており、本日も多数のブースが設置されております。林野庁では森づくりコミッション連絡協議会を国土緑化推進機構に設置し、今回のような説明会の開催、または各地域のコミッションの方々が集まっての意見交換会や研修会等によって相互に連携を図り、企業の皆さまがますます森づくりに参加しやすいような環境を整えていきたいと考えております。
本日ブースを設置している都道府県の皆さまの中には、コミッションの連絡協議会に入っておられる方もおられますが、まだ参加されていない都道府県の皆さまにも、ぜひこの連絡協議会の輪の中に入っていただきたいと思っております。
林野庁による企業の森づくり支援
林野庁では次のような企業の森づくりの支援を、「森づくりコミッション」等を通じて企業に提供していきたいと考えております。ご関心がありましたら、お問い合わせをいただければ幸いです。
● 国有林活用による活用場所の提供
(「法人の森林」等)
● 税制上の支援
(緑の募金等の特定公益増進法人への寄付への特例等)
● 森林整備事業による助成
(造林補助金等)
● 森づくり活動をCO2吸収量等で分かりやすく評価
(平成20年度から実施予定)
美しい森林づくり推進国民運動
「美しい森林づくり推進国民運動」は、手入れが必要となっている森林を皆さまの力をお借りして、元気な森林、美しい森林にしていこうという運動です。具体的な目標としては、今後6年間で330万haの間伐を実施し、さらにはその先を見据えて多様な森づくりを推進していこうということを掲げております。
企業の皆さまにおいては、森づくりに参加していただく、あるいは職場の中で国産木材を利用していただければ、即ちこの運動に参加していただいたことになると思っております。
この運動を民間主導で推進していく組織として、「美しい森林づくり全国推進会議」というものが昨年設立されております。もし企業でご関心をいただければ、こういった取り組みの輪にもぜひご参加いただきますようお願いします。
不在村地主の社員の方にも呼びかけを
美しい森林づくりを進めるためには、特に森林を所有している方が自ら森林を整備していくと言うことが不可欠です。しかし、地元を離れている森林所有者の方も多く、なかなか森林の手入れが行き届かずに森林整備が進まないというのが状況です。おそらく、どこの会社にも「地方出身で山を相続しているけれど、その山がどこにあるのかも分からない」といった方がいらっしゃるのではないかと思います。
私どもでは、こういった方々に呼びかけて、森林の整備のお願いと、そのための支援を考えています。ぜひ企業の皆さまも、社員の方々を捜していただいて、森づくりを呼びかけていただくこと、あるいはその森林を会社として整備を手掛けてフィールドを活用していただければと思っております。
こんなように企業の皆さまに、今後とも引き続きご協力をお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。


