森林が発揮する多面的機能

日本学術会議が平成13年に答申した「地球環境・人間生活に関わる農業及び森林の多面的な機能の評価について」では、森林が発揮する働きは8分類35要素群にも及んでいるように、地球環境の保全から私たちの生活環境の形成・向上に実に幅広い役割を発揮していることがうかがい知ることが出来ます。また、定量化が可能な機能のみではありますが、それらの効果の1年間当りの定量的評価額は別表の通りとなっており、これらから70兆円/年を超える価値を発揮すると指摘されています。
機能分類 定量的評価額 要素群
1. 地球環境保全機能 1兆4,652億円/年 地球温暖化の緩和、地球気候システムの安定化
2. 土砂災害防止・土壌保全機能 36兆6,986億円/年 表面浸食防止、表層崩壊防止、土砂流出防止、土壌保全、その他
3. 水源涵養機能 29兆8,454億円/年 洪水緩和、水資源貯留、水量調節、水質浄化
4. 快適環境形成機能 気候緩和、大気浄化、快適生活環境形成
5. 保健・レクリエーション機能 2兆2,546億円/年 療養、保養、レクリエーション
6. 生物多様性保全機能 遺伝子保全、生物種保全、生態系保全
7. 文化・教育機能 景観・風致、学習・教育、芸術、宗教・祭礼、伝統文化、地域の多様性維持
8. 物質生産機能 木材、食糧、肥料、飼料、薬品その他の工業原料、緑化材料、観賞用植物、工芸材料

森林の多面的機能を紐解く

ここでは、森林のもつ多面的機能の詳細や、そのテーマにあわせた国民参加の森林づくりの取り組みなどについて、個別的に紹介します。

機能分類 タイトル
1. 地球環境保全機能 ○森林の地球環境保全機能 〜地球温暖化と日本の森林
2. 土砂災害防止・土壌保全機能
3. 水源涵養機能 ○森林の水源涵養機能 〜水と森林の関わり
4. 快適環境形成機能
5. 保健・レクリエーション機能 ○森林の保険・レクリエーション機能 〜動き始めた森林セラピー
6. 生物多様性保全機能 ○森林の生物多様性保全機能 〜森林から見る生物多様性
○森林と人と動物と
7. 文化・教育機能 ○「美」としての森林
○山の神と日本の森林
○森林の文化・教養機能 〜森が子供を変える
○「木育」という考え方
8. 物質生産機能 ○森林の文化教養機能 〜森林を活かす時代と「木の文化」
○森林の物質生産機能 〜木質バイオマスの今

※ 上記の内容は、国土緑化推進機構発行「ぐりーん・もあ」の各号(特集記事)をもとに作成しました。統計データや役職は特集の掲載当時のものとなりますので、ご了承下さい。

そして、国民は森林に期待する機能は、前述したように、「地球環境保全機能(地球温暖化防止)」、「土砂災害防止・土壌保全機能」、「水源涵養機能」といった環境的要素が上位を占める状況となっています。

機能 期待 受益者
地球環境保全機能 54.2% 事業者・国民全般
土砂災害防止・土壌保全機能 48.5% 地域住民、流域住民、地域・流域の事業者
水源涵養機能 43.8% 地域・流域の事業者、地域住民、流域住民
快適環境形成機能 38.8% 地域住民・地域の事業者
保健・レクリエーション機能 31.8% 利用者
生物多様性保全機能 22.1% 国民全般・漁業関係者・(事業者)
文化・教育機能 18.0% 地域住民・利用者・(国民全般)
物質生産機能(うち木材) 14.6% 森林所有者
(うちきのこ等林産物) 10.6% 森林所有者・地域住民