
地域と森林の特色森林と神話が暮らしに息づく土地東は日向灘に面し、豊かな自然を有し、神話の里として知られる宮崎県は、県土のおよそ76%が森林であり、古くから森林との深い関わりのなかで暮らしを営んできています。綾町をはじめ、縄文時代から育まれた日本有数の照葉樹林が今なお残り、県北の耳川流域や県南の飫肥地方など、古くから林業を独自の形で発展させてきました。
歴史ある林業文化県南の飫肥林業地帯では、古くからスギ林が造成され、腐りにくく粘りがあり、曲げにも強い飫肥スギは、弁甲材と呼ばれる造船材として活用されてきました。一方、県北の耳川林業地帯は、安定的な原木供給体制が整いつつあり、林業の先進地として知られています。 「森林」を通じた新しい価値創出 〜地域での新たな取り組み〜● 綾町 〜照葉樹林の里〜
「自然生態系を生かし育てる町づくり」を掲げる綾町は、照葉樹林がその象徴でもあります。豊かな照葉樹林とともに生きていたかつての人々の暮らしは、多様な生き物とともに生き、豊かな植生をもつ山の恵みをあずかり、生かす暮らしでもありました。綾町では、こうした照葉樹林文化の遺伝子を後世に引き継ぎたいと、自然生態系を意識した農業を行ったり、照葉樹林をより豊かなかたちに復元していく「綾の照葉樹林プロジェクト」(人工林となっているエリアを照葉樹林に復元していく)を立ち上げるなど活発に活動が行われています。 ● 諸塚村 〜日本初の村ぐるみでのFSC認証を取得〜
県北の林業地帯・九州山脈に尾根を連ねる急峻な山間部に位置する諸塚村は、林内路網密度が日本一の地域で、作業道、林道が網の目のように広がっています。300年以上前、江戸時代初期から栽培が行われているシイタケ栽培が盛んで、スギとクヌギなどシイタケの原木となる樹木がモザイク状に植えられています。 企業の森づくり「企業の森林づくり制度」がスタートしかし現在、森林、林業を取り巻く状況は厳しく、健全な森林を次世代に引き継いでいくことが難しくなってきています。そこで、県では平成18年に「水と緑の森林づくり条例」を制定し、また同年に「森林環境税」を導入して、県民参加による多様な森林づくりを推進するとともに、平成20年度からは植栽未済地の解消・発生抑制にも努めています。
その森林環境税を活用した「企業の森林づくり」制度は、平成18年にスタートし、県がCSR活動に関心の高い企業や団体の皆様の御要望をお聞きしながら、フィールドの選定、森林整備内容の検討、協定調印に至るまで、森林所有者や森林組合とのコーディネートを行っています。平成22年9月30日現在、15の企業および団体が森林づくりを進めています。 取り組みの事例● 旭化成株式会社「あさひの森」
戦後まもない昭和29年から分収林契約により約800ヘクタールの植林を県北にて行ってきていますが、平成18年度から「企業の森林づくり」制度を活用し、近年の台風により大きな被害を受けた五ヶ瀬川流域の日之影町をフィールドに活動を展開しています。平成19年度には旭有機材工業(株)、平成20年度には(株)ケーブルメディアワイワイの関連2社も取り組むこととなり、延岡市北方町、五ヶ瀬町をフィールドに活動し、植栽や除間伐、下草刈りなどを行っています。
● 日本興亜おもいやり倶楽部「日本興亜・宮崎・にしめらの森林」
平成20年度から、児湯郡西米良村の私有林をフィールドに、下草刈り、除間伐を中心とした活動を行っています。西米良村はユズや花の生産地であることから、農繁期を活用した「西米良型ワーキングホリデー制度」を実施するなど、地域ぐるみで都市山村間交流を活発に行っている地域です。「企業の森林づくり」活動でも、地元の方々と協働で森林づくりを行い、地域との交流も活発に行われています。
※日本興亜おもいやり倶楽部は、日本興亜損害保険株式会社とその社員が資金を提供し、環境保全活動等を行っている団体です。 企業の皆様へ森林を通じて、地域ごとの多彩な文化と暮らしが営まれてきた宮崎県。現在、13社の企業の皆様に、宮崎県での「企業による森林づくり」に御理解をいただき、活動を進めています。森林の恵みを豊かに享受し、循環型の暮らしを営んできた宮崎県ならではの活動を、多くの企業の皆様の御協力を得ながら、地域と連携して行っていきたいと考えています。
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