地域と森林の特色
雄大な自然に囲まれた熊本は 「火の国」「森の国」
九州の中心に位置する熊本県。平成23年3月には九州新幹線が全線開業し、関西・中国地方からもグッと近くなります。東に世界最大級のカルデラを持つ「阿蘇」、西に恵み豊かな「天草」と雄大な自然に囲まれ、ダイナミックな景観が体感できるのが魅力です。活火山・阿蘇は火の国熊本のシンボル的な存在。阿蘇神社の火振り神事をはじめ、県内各地で火にちなんだ祭りが行われています。
 阿蘇山と周辺に広がる森林
熊本県は「森の国」でもあります。県土の63%を占める森林は民有林の割合が全国平均に比べても高く、その民有林の人工林率も全国上位で、スギ・ヒノキの素材生産量はそれぞれ全国4位、3位の林業県です。しかし、木材価格の長期低迷などに伴い、森林所有者の経営意欲は減退し、林業担い手の減少・高齢化も進んでいます。このため、人工林の63%を占める間伐対象林の間伐が緊急課題となっています。
そして、熊本は『水の国』 〜先人の営みと自然が与えてくれる水の恩恵〜
阿蘇外輪山の麓、吉無田水源の下流域に位置する御船町は、江戸時代、慢性的な水不足に悩まされていました。江戸後期に水不足解消を目的に、営々と水源の森づくりがなされ、スギなど約240万本が植えられたと伝えられています。50年後、豊かな水を育む壮大な水源の森となり、村の人々の暮らしを助けました。自動車や重機がない時代の先人による多大な労苦がしのばれます。森と水は人の手によって育むことができるという先人のメッセージを受け取るべき時代が来ているのだと思います。
人口68万人の熊本市の水道水源は、100%地下水で賄われており、「日本一の地下水都市」と言われています。また、県内には昭和の名水百選、平成の名水百選にそれぞれ4ヶ所、合計8ヶ所が選定されており、これは富山県と並んで全国最多です。阿蘇をはじめとする自然の恵み、豊かな森を育んだ先人の努力が熊本に清涼な水を湛えています。また、意外と知られていないのが温泉。源泉は1,420を数え、これは全国第5位の数を誇り県内全域に湧き出ているのが特徴です。ほとんどの市町村に1ヶ所以上温泉付き宿泊施設があるので、森づくりに参加した後、すぐ近くの温泉で汗を流すこともできます。
 菊池渓谷(名水百選)
 南阿蘇温泉郷
人と自然が織りなす「交流」と「おもてなし」
熊本県では、訪れる人が、豊かな自然や文化に触れ、地域で暮らす人との「交流」で感動を体感していただくことを目指して、県独自のガイドラインを設け、「農林漁家民宿」「農林漁家レストラン」「体験」等のレベルアップを図る取り組みを進めています。
「水俣市・久木野ふるさとセンター愛林館」、小国町の「九州ツーリズム大学」、「菊池市・NPO法人きらり水源村」「人吉球磨グリーンツーリズム推進協議会」をはじめ、全国的に見ても先駆的な都市農山村交流事業、持続可能な地域づくりなどが、県内各地で多様な主体によって取り組まれており、豊富な人材が活躍しています。特に、阿蘇地域では「スローな阿蘇づくり」として阿蘇カルデラツーリズム(エコツーリズム・グリーンツーリズム・タウンツーリズム)が推進されており、阿蘇の自然や歴史を知り尽くした案内人が、多彩な体験プログラムをコーディネートしてくれます。
企業の森づくり
みんなで「水とみどりの財産」を次の世代へ
熊本県では、「県民参加の森林づくり」を実現するため、これまでも企業の皆様の要望に応じて、森づくりフィールドの紹介等の取組みを進めてきました。それらの取り組みに加え、平成20年12月に、森林整備計画等の助言や森づくり協定への立会等も行う「熊本県企業・法人等との協働の森づくり」を新たに制度化しました。さらに、二酸化炭素吸収量に関する証明書の発行も予定しており、企業の森づくりに対する支援の充実を図ります。
なお、平成17年度に森林ボランティアの総合的な支援窓口である「熊本県森づくりボランティアネット」を設置し、専門の森林ボランティア活動アドバイザーの配置、技術指導、研修会の開催のほか、道具の貸し出しも県内10カ所の拠点で行っています。
取り組みの事例
● 「JTの森 ゆのまえ」(球磨郡湯前町)
日本たばこ産業㈱は、湯前町との間で、平成21年2月、「熊本県企業・法人等との協働の森づくり」初の事例となる協定を締結し、間伐を中心に100haを超える森林整備に取り組むことになりました。熊本県立自然公園の一部でもある整備予定地は、トマトや葉たばこなどの農地に水を供給するための農業用ため池があり、森林整備による水源かん養を図ります。また、年2回程度社員や家族が現地を訪れて、植樹などのボランティア活動を行い地元との交流も予定しています。
 「JTの森 ゆのまえ」調印式
企業の皆様へ
『水の国』熊本を支えてきた豊かな森林ですが、適切に管理されない森林が顕在化するとともに、局地的豪雨による山地災害やシカによる森林被害の拡大など、森林の持つ公益的機能の維持が危惧されています。熊本の宝である「水」のみならず、様々な機能を持ち、私たちの生命を育む森づくりに企業の皆様にご参加いただき、「森林との共生」の実現へ向けて協働していきたいと考えています。ぜひ熊本の森づくりにご協力ください。
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