地域と森林の特色
「いばらきの森林」 〜平地の割合が多く、変化に富んだ地形〜
茨城県は関東平野から東北地方の山地へと地形が大きく変化します。県南部は利根川、霞ヶ浦に代表される豊かな水系の平野に平地林が広がっています。県北部はスギ、ヒノキを中心とした人工林が多く、林業が盛んな地域です。太平洋に面する約180kmの海岸線には、潮風や飛んでくる砂を防ぐ松などの保安林が約61kmにわたっています。このように多様な森林の形態を持つ茨城県ですが、林野率は3分の1以下と全国でも最も低い部類に位置し、平地が多いことから可住地面積は全国第4位の広さになっています。

「子どもの森づくり推進事業」の植樹祭のひとこま
木と親しみ、木の文化を受け継いできた県民性
一方で、万葉集に数多く詠まれた筑波山を持ち、「常陸国風土記」にも記述があるように茨城は古くから貴重な森林文化を育んできました。また、石油などの化石燃料が主流になるまでは、利根川を利用した首都圏への木炭、木材の一大供給地でした。全国緑化行事発祥の地・桜川市(旧真壁町羽鳥)も在り、低い林野率にも関わらず「緑の少年団」の団体数、団員数がともに全国トップクラスであることからも、今でも木を身近に感じる県民性がうかがえます。
 緑の大使やPTA、 アメリカ人講師なども植樹祭に参加
木の文化は、全国第2位の生産量を誇る「うるし」の活用にも脈々と受け継がれています。うるしは、お椀やお皿、お盆、重箱などの日本の伝統的な漆器(ジャパンとも呼ばれる)に欠くことのできない塗料です。平成15年には、県内のうるしのほとんどが生産されている大子町、旧山方町の生産組合により「奥久慈うるし振興協議会」が設立され、うるしの生産・出荷のみならず、うるしを地元で使うことまで含め、日本の貴重な伝統文化を守るための様々な活動が行われています。
未来を担う子どもたちへの森林環境教育では、子どもたちが身近なところで木と触れ合い、木の良さを認識することが重要であることから、地域の方々からのご協力も得て、学校内やその近隣に森林環境教育の拠点となる環境を整備する「子どもの森づくり」に力を入れています。
森林湖沼環境税 〜県民参加の「森」と「水」の保全〜
森と水の関係が深い茨城県。平成20年度にスタートした森林湖沼環境税は、森林の保全・整備と、霞ヶ浦をはじめとする湖沼・河川の水質保全に使われています。森林には、私たちが広く恩恵を受けている様々な公益的機能がありますが、近年は管理放棄され荒廃した森林が増加しています。このため、森林湖沼環境税を活用し、「適正な森林整備の推進」「木づかい運動の推進」「県民協働による森林づくりの推進」の3つの柱で様々な事業を展開しています。
企業の森づくり
身近なみどりの「企業の森づくり」へワンストップサービス
企業のCSR活動の一環として「企業の森づくり」を総合的にご提案できるように、相談窓口「いばらき森林づくりサポートセンター」を開設しました。フィールドの紹介から、森林所有者との調整、地域・NPOとの連携、森林組合への委託アドバイス、森林ボランティア団体や宿泊先の紹介などまで、森づくりに関するワンストップサービスを行っています。
いばらきの「企業の森づくり」では、首都圏に位置し平地が多い特色を活かして「身近なみどりの企業の森づくり」を心がけています。規模は小さくても、名所旧跡の近くなど象徴となるような「見える場所」から始めているのが特徴です。
「子どもの森づくり」との連動
活発な「緑の少年団」の活動、力を入れている学校林の整備、子どもたちへの森林環境教育・緑育との取り組みとも連動し、「企業の森づくり」で整備された森林を子どもたちの自然観察や体験活動の場として活用することも考えられます。ワンストップサービスの利点を活かし、学校や地域、森林所有者などとのコーディネートも可能です。
 看板設置
取り組みの事例
● 「理容の森」(稲敷市浮島)
霞ヶ浦の南に位置する水郷筑波国定公園内の和田公園。その中にある「浮島」は、かつて海水浴場として栄えるほど水が澄んでいました。調べてみると、ヤマトタケルノミコト伝説の関係で知られる景行天皇の行幸伝承の地で、大和朝廷東国平定の拠点として栄えた神話の里であることが分かりました。
記念植樹には茨城県理容生活衛生組合の組合員など約100人が参加し、松くい虫に強い抵抗性松が植樹されました。白砂青松の地復活を目指して松林の再生が始まっています。
 抵抗性マツの植樹
● 「印刷の森」(那珂市)
印刷関連業界と協力し、高速道路インター近くの平地林で、間伐などの整備を計画しています。半径500m以内に小学校がありますので、ゆくゆくは学校とも連動しながら、子どもたちの遊び場や森林環境教育の場としても活用できるように、関係者と相談しながら進めています。
企業の皆様へ
首都圏にある本物の自然
森と川と湖と海が奏でる茨城の豊かな自然を守るため、多様な主体が一体となった継続的な取り組みが重要だと考えています。自然環境と生活環境、伝統文化と先端技術がバランス良く共存する茨城県。人と自然、人と森の関係の未来を切りひらくために、古くから木の文化を受け継いで来た県民とともに、身近な森づくりから始めませんか?
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