地域と森林の特色
「里山」によみがえったコウノトリ
2005年9月24日、豊岡市で、人工飼育によって成長した5羽のコウノトリが空に放たれました。かつては日本各地に生息していたにもかかわらず、経済発展を最優先とした時代の流れの中で住処やエサを失い、豊岡の地を最後に日本から姿を消したコウノトリ。34年の時を経て、ふたたび日本の空に戻ってきました。
コウノトリの命を支えるには、豊かな里山の恵みが必要です。人の営みと密接にかかわりながら維持されてきた里山には、エサとなるカエルや小魚などの生きものがあふれ、アカマツの大木にはコウノトリの巣がかけられていました。
 巣材を運ぶコウノトリ(写真・豊岡市提供)
里山は「日本の生物の多様性の要」といわれています。兵庫県は、豊臣秀吉の時代から、茶道に使われる「菊炭」の生産が続いている川西市・黒川地区など、日本でも有数の豊かな里山に恵まれた地域です。また、社会形態の大きな変化により荒廃が進む里山林に、日本で初めて「環境林」としての役割を位置づけ、公的負担による整備に取り組んだ県でもあるのです。
森林政策のトップランナー・兵庫県
兵庫県は、1989年から本格的な「森づくり施策」に取り組んできました。日本全国で見ても極めて早い段階から「環境保全機能」「文化的機能」などの、森林の公益的機能に着目してきたことも特徴です。社会変化の中で危機を迎えている森林を、県民共通の財産として守るため、2002年には「新ひょうごの森づくり」を策定。「森林整備の公的関与の充実」と「県民総参加の森づくり」を2大柱とする10カ年計画を進めています。間伐の100%実施を目指す「森林管理100%作戦」では、これまでの7年間で対象森林87,500haの68%で、国・県・市町などの公的負担による間伐が実施され、残りの3年間で100%の達成を目指しています。また、「里山林の整備」では、公的な整備を行うとともに、地域住民やボランティアによる整備を支援する等、県民と協力しながら再生に取り組んでいきます。
 ふれあいの場として整備が進む 「ミニ里山公園」
もうひとつの要が「森林ボランティア育成1万人作戦」です。環境教育プログラムはもちろん、森づくりに必要な基礎知識や作業を学ぶ「森林ボランティア講座」、2005年に三田市で開催された全国育樹祭を契機に制定された「ひょうご森の日」には、県下各地域で様々な森づくり活動の体験イベントが行われるなど、森林にふれあう様々な機会が設けられています。その他にも、学校や地域でも、森林学習体験の機会が多くとりいれられています。講座は、企業の社員の皆様やご家族の皆様にも、森づくりの体験の場や技術のレベルアップの場として活用していただいています。
また、インターネットを利用した「ひょうご森づくり検定」を実施し、より多くの方々の森づくりへの関心を高めるとともに、すでに森づくり活動をされている方々の修得技術や安全作業の振り返りの機会として活用していただく予定です。
企業の森づくり
「企業の森づくり」はじまる
2008年4月、新たな制度として「ひょうご・企業の森づくり」が始まりました。企業の皆様のご要望が活かされるよう、活動フィールドの斡旋や、活動計画の助言・提案、森林ボランティア作業の技術指導や、森林施業委託先の紹介など、専門の者が責任をもって対応させていただきます。兵庫県は関西最大の森林面積を誇り、また、これまでの施策を通じて「場所の多様性」「活動の多様性」「ネットワークの多様性」などのインフラが整っています。皆さまのご要望に応じた、「多様な森づくり」をコーディネートさせていただきます。
 東芝 間伐体験
| 企業名 |
名称 |
所在地 |
森林形態 |
活動内容・特徴 |
| 生活協同組合コープこうべ |
コープの森・社家郷山 |
西宮市 |
広葉樹林 |
柴刈り、遊歩道・階段・案内板づくりなどの里山林整備や、博物館との連携による環境学習会などを実施。 |
| 株式会社東芝 |
東芝150万本の森づくり |
宍粟市 |
人工林 |
広葉樹の植栽や、間伐・雪害木処理などの人工林整備。社員や一般参加者への自然観察会の開催など。 |
| コカ・コーラウエスト株式会社 |
ひょうご さわやか自然の森 |
小野市 |
広葉樹林 |
水源の森整備のための資金提供や、社員による里山林整備を実施。作業終了後の温泉券の地域からの提供や、有機農産物の販売など、地域との交流も盛ん。 |
| 川崎重工業株式会社 |
川崎重工 西谷なごみの森 |
多可町 |
人工林
広葉樹林 |
社員による森づくり活動のほか、新入社員研修としても森林保全活動を実施予定。森林整備のための資金提供も行う。 |
企業の皆様へ
2007年、放鳥コウノトリにヒナが生まれ、43年ぶりの野外での巣立ちが実現しました。
今、コウノトリの巣は、鉄製の人工巣塔に作られています。コウノトリが再び「マツ林」に営巣できるように、竹の伐採やアカマツの植栽など、50年先を見据えた「コウノトリの森づくり」が地域ぐるみで進められています。
人間の日常的な働きかけで維持されてきた里山での作業は、専門的な技術がなくても、生物多様性保全などに貢献度の高い作業に参加できることが特徴です。何より、その優しい風景は心を癒してくれますし、たくさんの生き物との出会いもあり、人と自然のつながりを学ぶ環境教育の場としてもぴったりです。ぜひ、「ひょうごの森づくり」へのご参加をご検討ください。なお、農村ボランティアの受け入れなども各地で盛んに行われておりますので、農業体験などのご要望も、気軽にお寄せ下さい(宿泊施設もご紹介いたします)。
 平成22年1月31日現在
● 制度の名称:ひょうご「企業の森づくり」
● 制度導入年:2007年
● 対象森林:県有林、市町有林、集落有林、
生産森林組合有林等
● 契約年数:原則として5年以上
● 協定締結状況:4社
● 評価制度の概要:
○CO2吸収量の認証 エコポイント原資提供企業に対し、ひょうご県民CO2削減バンク(事務局:(財)ひょうご環境境創造協会)が認証 ○その他の認証制度 兵庫県森林組合連合会では、平成21年度から「カーボンオフセットモデル事業」を展開予定
● その他支援概要:
社員研修等の企画立案、森林ボランティア講座、宿泊施設・指導者等・農業ボランティア活動(田植え・稲刈り等)の紹介斡旋等

(社)兵庫県緑化推進協会(森づくりコミッション)
● 住所:〒650-0012 兵庫県神戸市中央区北長狭通5-5-18
● TEL:078-341-4070
● FAX:078-341-4071
● E-mail:hyogokigyonomori@water.ocn.ne.jp
● ホームページ:http://www.hyogo-green.net
兵庫県 農政環境部環境創造局 豊かな森づくり課
● 住所:〒650-8567 兵庫県神戸市中央区下山手通5-10-1
● TEL:078-362-3144
● FAX:078-362-3954
● E-mail:yutakanamorizukuri@pref.hyogo.lg.jp
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