パナソニック株式会社パナソニックの企業市民活動と森づくり~グローバルな展開を目指して~
ノルウェーにおける植樹

パナソニックの企業市民活動の基本的な考え方

 パナソニックグループは、創業以来企業は「社会の公器」との考え方を経営理念の根幹におき、企業活動を展開している。具体的には、事業活動を通じて世界中のお客様にご満足をいただくための「産業人としての活動」と、社会の一員としてより良き社会づくりに向けての「企業市民としての活動」である。現在、事業ビジョンとして、「ユビキタスネットワーク社会の実現」と「地球環境との共存」に貢献することを掲げ、グローバルに事業を展開している。パナソニックグループの企業市民活動は「育成と共生」を理念に、「次世代育成」と「環境」を重点分野として、グローバルに継続性のある企業市民活動に取り組んでいる。さらに一企業として取り組むだけではなく、NPO やNGO との協働や、社員一人ひとりのボランティア活動への支援なども積極的に進めている。

環境宣言(1991年)

 1980年代までは、各国・各地域の製造・販売拠点において敷地内及び周辺地域の緑化は行われていたが、全社をあげての緑化活動はほとんど無かった。転機となったのは、1991年松下環境憲章及び1992年国際連合主催のリオ・デ・ジャネイロ(ブラジル)の「環境と開発に関する国際連合会議(国連地球サミット)」の開催である。

身近な活動よりスタート


●パナソニックグリーンボランティア倶楽部

 パナソニックグリーンボランティア倶楽部(以後PGVと称す)は1993年11月に発足した。全国に拠点があったので、「まず誰もが参加できるように」との想いで各拠点での緑化を進めることになった。PGV 活動は、グループ社員および一般の方々で「緑を守り育む運動」を実践することを目的としたもので、従業員・組合員だけでなくOB・一般市民の方々に一口1,000 円の募金で呼び掛け約6 万人が賛同した(現在資金拠出会員は約7万人)基金からなる。また、会社からもマッチングギフトとして個人拠出額と同額を支援した。
 「できることから始めよう」を合言葉に、OBを含めた労使共催で活動が行われ、全国各地の環境・森林ボランティアの活動への協力に加え、森林保全や育林体験(2007年22カ所)、緑地公園や海岸・湖岸・河川敷のクリーンアップ(2007年26カ所)、自然観察会、環境定点観測、リサイクル活動、フォトコンテスト等を実施し、年間では延べ約1 万人(2007年)のPGV の仲間が参加している。
横浜市 氷取沢市民の森


●地球を愛する市民活動

 環境活動全般の取り組みの一環としてLE(Love the Earth)活動がある。LE 活動は、「企業人であると同時に一人の家庭人・社会人として環境に配慮できる市民であること」を目指し、従業員とその家族のエコライフ実践を支援する活動として1998年にスタートした。活動の指針として、環境家計簿による省エネ・エコバッグの使用等の家庭でできるエコライフが6項目、環境ボランティア等の社会でできるエコライフが2 項目、合計8 項目を掲げ、これらの積極的な実践を推進している。
 この活動をより強化するために2006年度からLE達人制度を設けている。家庭・会社・社会でエコライフを積極的・継続的に実践し、周囲にそれを波及させることのできる従業員を社内認定する制度である。森づくり関連では、「地域と共同した森林保護の達人」「森づくりと自然観察指導の達人」がおり、社内だけでなく地域の方々と協働して活動を広げている。

■パナソニックの地球を愛する(LE)市民活動

本業との関わりから森づくり活動へ

 パナソニックグループのカーエレクトロニクス事業を担う社内分社であるオートモーティブシステムズ社は、自動車産業の発展に貢献すべく全世界のカーメーカー様へ各種先端商品の納入を展開している。自動車の販売増につれて、同社の事業は拡大するが、一方では二酸化炭素の排出量を増やし、環境に負担をかけることにもなりうる。そこで同社では6年ほど前から、直接的な環境保全支援活動をグループ社員の自覚を促す観点と、全国各地域への貢献の観点から、「地域緑化・保全支援」「共存の森」を行ってきた。

●地域緑化・保全支援

 「地域緑化・保全支援」は、全国のそれぞれの地域に工場や営業所を展開するパナソニックグループとして、環境保全をキーワードに「何か地域貢献はできないものか」との想いの中、ある地域販売会社の提案から始まった。これは地方自治体の緑化活動に共鳴した地域のパナソニックグループのファミリー会と連携し、「地域植樹祭」の折に苗木を贈呈する活動である。2005年2月に香川県豊島の「オリーブの木を植える運動」に苗木を贈呈以来、すでに21道府県22カ所に及んでいる。

■「地域緑化・保全」全国マップ

●共存の森

 「共存の森」では、全国のパナソニックグループの工場の敷地内に約1,000㎡の森づくりを展開している。事業場の十分な事前調査を踏まえた計画書をベースに選定を行い、当初の意図を反映したものになっているか十分審査を行っていく。年に5事業場のペースで推進し、現在グループ25事業場で植樹された木が元気に育ってきている。
 「地域緑化・保全支援」「共存の森」における植樹の実績は、2008年時点で約14万本を超える。
松本共存の森 家族そろっての植樹

お客様参加型の植樹キャンペーン

 当社のアプライアンス・ウェルネスマーケティング本部では、一般の方々に環境配慮を訴求するため、「省エネ・節水商品の開発、普及」に加え、「お客様と一緒に環境について考え、緑を増やしてゆくこと」の活動を、2003年からスタートしている。2003年には「あなたの応募であなたの街の幼稚園に植樹しよう!」等、植樹を目的にした期間限定のキャンペーンを実施した。2007年度からは、対象商品1台のご購入につき、1本を植樹するキャンペーンを展開し、2007年度はベトナムで、2008年度上期は中国で植樹を行った。
 2008年下期からは、「1台で1本の植樹を! 日本で、世界で、学校にグリーンサンタ(R)の森を作ろう」をテーマに、日本全国と世界31ヵ国の学校で植樹を行っている。
 日本では、地域の販社やパナソニックの店と共同で、学校で植樹式を行い、デンマークの環境親善大使「グリーンサンタ(R)」を派遣し、交流を深めている。
 海外では、国際NGO FEE(環境教育基金)が運営するLEAF/エコスクールの協力を得て、植樹を実施中である。2009年には、日本全国と世界31ヵ国で、合計743の幼稚園や小学校で150万本の植樹を行うことを目指している。

ノルウェーにおける植樹

次世代への環境教育及びNPO支援

●環境教育

 環境教育プログラムのひとつとして「学校林整備事業」がある。(財)オイスカの要請で始まった事業であり、パナソニックの役割は、荒廃した学校林の整備の第一段階である林内の遊歩道設置・倒木の可能性がある木々の伐採などへの資金援助である。今年まで6年間で首都圏・中部・関西・北陸地区で延べ15校の整備と啓発のためのフォーラム開催を支援。
 初期整備後は、生徒・先生・PTA・地域の方々の学校関係者だけではなく、(財)オイスカ・行政・整備事業者も加わった学校林活動運営委員会によって整備や学校林での活動が進んでいる。特に山梨ではそれぞれの関係者が一体となって学校林活動をサポートするしくみ、活動のノウハウが蓄積されており、先行する成功モデルが出来上がっている。
学校林で整備を行う子どもたち
 今後は、この山梨モデルを広く他地域へ展開することを目指しており、2009年度は青森、宮城、熊本などで整備支援を計画している。また、パナソニックの社員も一部の学校林で整備に参加している。小学校では、自然と親しむ遊び場として、中学校以上は体験学習の場として学校林を活用している。学校林整備活動の事前・事後の授業等で、森の恵み、森と川と海との循環等を教材として環境教育を実施しており、森林への感謝と畏敬の念を培っている。
 2つ目のプログラムは、当社独自の出前授業である。学校教育を「次世代育成」の中心的活動として位置付け、2005年頃より注力してきた。
 2008年度からは、地球環境の実態を知らせると同時に、モノづくり会社としての仕事の流れを紹介し、そこに関わる社員一人ひとりが環境のことを考え、できることを実践していることを伝えるプログラム「モノづくりのエコアイディア」を開発し推進している。環境に加えて、社会科やキャリア教育に効果があると高く評価されており、今後も中心的プログラムとして推進していく。

●パナソニックNPO サポートファンド

 緑化事業は一企業だけでできる事業ではなく、行政・NPO 及び地域の方々の協力がなければ成し遂げられない。特に近年NPOは、先駆性・専門性・機動性・柔軟性を有しており、行政や企業ができないことにいち早く取り組み、社会課題の解決に向けて志高く活動されている。パナソニックは2001年より子どもと環境の分野で取り組むNPO の「組織基盤強化」を資金面で応援してきた。環境分野ではNPO法人地球と未来の環境基金とパナソニックが協働で運営しており、資金提供だけでなく、助成団体へのコンサルティングやノウハウ共有など、総合的にサポートしている。

今後の取り組み

 当社は2007年10月5日、2大事業ビジョンの一つ「地球環境との共存」を加速するために「eco ideas」戦略を発表した。生産活動におけるCO2削減だけでなく、すべての活動において「一歩先のエコ」を目指すべく、「モノづくりのエコアイディア」、「商品のエコアイディア」、「ひろげるエコアイディア」の3つの重点取り組みを中心にまとめた「エコアイディア宣言」が、今後の環境経営活動の柱となる。
 また、2000年11月にBYOS クリーンネットワーク協議会を立ち上げた。BYOS クリーンネットワーク協議会とは、琵琶湖(B)淀川(Y)大阪湾(O)瀬戸内海(S)の水質保全と生態系維持をめざすパナソニックグループ社内の環境保全推進ネットワークである。
 「ひろげるエコアイディア」の一環として、従業員や家族、労働組合が参画する地域の環境保全活動に関して、事業場間で、情報・ノウハウを共有することでネットワーク化を図り、活動の輪を広げ、より大きな成果につながることを狙いとしている。
 今後、本活動をモデルとして、各地で同様の活動をひろげたいと願っている。

環境取り組みを表現したジオラマ『エコアイディア ワールド』
 今後も、「ひろげるエコアイディア」をグローバルに実現するために、世界各地で植林・育林・環境教育・NPO サポートを通じて、緑化活動を積極的に推進していく。

お問い合わせ

パナソニック株式会社 コーポレートコミュニケーション本部 社会文化グループ
TEL:(大阪)06-6909-6700
   (東京)03-6403-3140
URL:http://panasonic.co.jp/csr/social/cca/