住友林業株式会社~本業を通じたCSR活動で、将来の豊かな日本の森林へ貢献
住友林業の社員による森林調査

住友林業の森づくりの原点

 木とともに歩みながら成長してきた住友林業。その創業は、1691年(元禄4年)にまで、さかのぼる。
 住友家の別子銅山(現:愛媛県新居浜市)の開坑にともない、周辺の山林から銅山事業に必要な木材(建築用材・坑木・薪炭)の伐採・調達を開始。この「銅山備林」の経営が、住友林業の事業の始まりである。
 しかし、明治期に入ると燃料用の薪炭材や坑木供給のため周辺の立木を大量に伐採したことや、銅の製錬により発生した亜硫酸ガスの影響により、別子の山々は岩肌があらわになるなど荒廃した。
 これを見た当時の別子支配人、伊庭貞剛(後の二代目、住友総理事)は、「このまま別子の山を荒蕪するに任しておくことは、天地の大道に背くのである。この濫伐のあとを償い、別子全山をあをあをとした旧の姿にして、之を大自然にかへさなければならない」と、荒れた山々を元の姿に戻すために林業の専門家の意見を取り入れて「大造林計画」を決意。1889年~1893年(明治22~26年)には毎年6万本にも満たなかったスギ・ヒノキの植林を、荒廃が深刻化した1897年~1899年(明治30年~ 32年)には毎年100万本以上行った。

伐採と銅の製錬による亜硫酸ガスの影響により荒廃した別子銅山。 1881年当時/住友資料館所蔵




「大造林計画」により、緑あふれる森となって再生した現在の別子銅山
 その後も植えては枯れるという試行錯誤の繰り返しを続けた結果、現在、別子の山々は緑を取り戻している。 この「国土報恩」の精神を事業の根幹とし、現在、住友林業グループは、森林の育成から木材・建材の製造・加工・流通、木造住宅の建築・販売、中古住宅の流通・リフォーム、その他の周辺事業にいたるまでの木と住まいに関わるさまざまなサービスを、一貫した垂直統合型ビジネスモデルとしてグローバルに事業を展開している。

社有林の経営

  
 別子の山で始まった住友林業の山林事業はその後、住友の基幹事業として位置付けられ、北海道や九州の山林経営にも進出、現在では、国土の約1,000分の1 に相当する約4万ha の社有林を経営するにいたった。
 1904年(明治37年)には、当時としては近代的な林業技術を導入し、中長期にわたる山林経営計画を編成した。これにより、民間として初めての本格的な森林計画をつくり上げたといえる。

住友林業の社有林(愛媛県新居浜市)
 植林と再生産を繰り返す「保続林業」の理念が確立され、その思想は、現在も受け継がれているのだ。
 近年では、効率的な林業経営を目指し、森林GSI という地図情報と樹種や樹高、蓄積などの森林の基本情報を一元的に管理する「森林管理データマップシステム」を導入している。一方で、環境への配慮が重要視されるなか、2006年9月に日本国内の社有林において日本独自の認証である「緑の循環」認証会議(SGEC)の森林認証を取得し、第三者の立場から自然環境と共生した持続可能な森林経営を実践していることに対して、公正な評価を受けてもいる。
 また、森林認証の取得をきっかけに、社有林で生物多様性のモニタリングを開始した。2008年には、四国の社有林内で鳥類や動物の生息調査を実施し、小面積皆伐が生態系に与える影響などを調査した。その結果、伐採により、一時的には鳥類の生息環境に影響が発生しているものの、周辺の森林が維持されていれば大きな問題がないことが分かった。今後も順次、全国の社有林で同様のモニタリングを実施し、生物多様性にも配慮した森づくりを続けて行く予定である。

国内森林の現状と住友林業の役割

 国土の68%が森林で、そのうち約40%が人工林である日本は、豊富な木材をはじめとする産業資源と緑豊かな環境資源を保有していると言えるだろう。しかし、現在の日本では高度成長期の安定的な価格・品質・供給面で勝っていた輸入木材の普及により木材の国内需給構造が変化、それまで90%以上であった木材自給率が20%程度まで低下している。このため、国内の林業経営は徐々に衰退していった。その結果、全国各地の人工林で、手入れ不足(特に間伐)による森林荒廃が深刻化している。
 住友林業は国内における木材建材商社および木造戸建注文住宅業界のトップブランドとして、この問題を企業の社会的責任として捉え、独自の「木材調達理念・方針」の考えのもと、国内外より持続可能な森林からの木材を調達するとともに、国内山林の活性化を図るため、間伐材などの有効利用や木材乾燥技術の開発などによって国産材の積極利用に取り組んでいる。また、地球温暖化をはじめとする環境問題が深刻化する昨今、CO2を固定・吸収する役目も持つ「森」や「木」を事業の柱とする住友林業が、さまざまな事業分野で果たす役割は大きいと認識している。

■住友林業グループのCO2吸収量とカーボンストック

国産材の積極活用

 日本の森で育てられた木材を住宅に活用することが、林業の活性化に繋がり、日本の森を健全に育む。このような想いから、住友林業では、住宅商品「住友林業の家」に国産材を積極的に採用してきた。
 主力商品「マイフォレスト」では、これまで利用しづらかった小径木なども有効活用した国産ヒノキの構造用集成材「スーパー檜」を土台・柱に採用し、高精度・高強度を実現。さらに国産のスギやカラマツなどを利用した壁下地材「きづれパネル」、「国産材合板」の開発・採用等を積極的に進め、現在では主要構造材における国産材の使用比率を70%まで高めている。
国産材を積極的に採用した「MyForest」
 集荷供給体制においても、地域ごとに製材工場、集成材工場との協力関係を構築し、質・量ともに安定的に提供できる新しい流通ネットワークを確立している。
 また、2008年2月に発売した、環境配慮の技術を結集した商品「マイフォレスト─大樹」では、主要構造材での国産材使用比率100%を達成。
 日本の木でつくる。その住友林業の家は、お客さまとともに行う森づくりや環境への貢献活動へとつながっている。

本業を活かした社会貢献活動

 住友林業の長い森づくりの経験を活かした社会貢献活動としては、森林の育成と次世代環境教育を中心とした富士山「まなびの森」での自然林復元プロジェクトがある。
 このプロジェクトは、1996年の台風17号で甚大な被害を受けた富士山南麗の約90haの国有林を『富士山「まなびの森」』と名付け、自然林の復元活動を100年かけて行う取り組みで、1998年より植林活動を開始。

植林活動の富士山「まなびの森」プロジェクト
 活動の主体は住友林業グループの社員、家族、OB、取引先のほか趣旨に賛同する個人、団体、学生などのボランティアが中心で、富士山固有の樹種を植林している。
 10年間の活動を経た現在では、大規模な植林活動は終了し、蔓切りや下草刈りなど「森を育てる」育林活動を中心として活動を行っている。また、活動開始からのフィールドの変化を把握するために鳥の種類や数などの定期的な調査を行う鳥獣生息調査では、森林回復に伴う種の変化が確認されるなど、台風の被害に遭って失われた森の復元過程において、その時々の環境を好む野鳥や動物が戻ってきていることも分かってきている。

環境学習支援の開始

 この富士山「まなびの森」プロジェクトでは、自然林復元活動のほか、「富士山周辺の自然環境を将来にわたって保全していくためには地元の子供たちへの環境教育も必要である」との認識から、地元行政やNPO 法人などの協力を得て、富士宮市内の小中学生向けに「まなびの森」での自然体験プログラムを提供する環境学習支援も行っている。  
森の魅力を学ぶ自然体験プログラム
 野生動物の痕跡探索、樹木や野草の生態観察、五感を使ったゲームなどを通して、楽しみながら学習を行う。
 2006年度から2008年度までに、延べ14校、1,780名の小中学生に対して、自然体験プログラムの提供を行った。

「森」と「木」と住友林業のこれから

 近年、企業は経済面だけでなく、社会面・環境面にもバランスよく配慮したサステナブル(持続可能)な経営が最優先課題になってきている。
 森づくりを礎として歩んだ300年という歴史の中で「森」や「木」に関する知恵と技術を培い、木材建材商社及び木造戸建注文住宅業界のトップブランドとなった現在、住友林業への社会からの期待も一段と高まっている。「森」や「木」は再生可能な産業資源であり、生態系を守り、地球温暖化の原因とされるCO2の吸収源となる環境資源でもある。およそ300年前に始まった住友林業と「森」と「木」の大切な関係。
 今後も小さな苗木を大きな森へと育て、100年先の未来を見据えたサステナブルな経営を続けることにより、現在・未来の社会へ貢献したいと願っている。

お問い合わせ

住友林業株式会社 コーポレート・コミュニケーション室
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